1998年8月29日

バンガローで目を覚ますと


ケイゴさんの背中が、すぐ目の前に見えた。


(ケイゴさんとドンちゃんは、隣のバンガローを借りたはずなのに…酔っ払ってそのまま眠っちゃったんだな…。)


と、ケイゴさんを起こそうとしたら



顔がシュウちゃんだった!


「ブハッ!」


シュウちゃんがなぜか、ケイゴさんの上着を着ていたのだ。


びっくりしてシュウちゃんを起こして事情を聞いたが、シュウちゃんも


「なんでアタシ、ケイゴちゃんの上着着てんねやろ?」


なんて言っている始末。


後でケイゴさんに事情を聞いた所

昨夜、僕が寝た後、酔っ払ったシュウちゃんがフラフラとしていた所を


外で電話していた、ケイゴさんが見つけ、寒がっていたので、上着を貸してあげた。



との事。



まあ、記憶を無くす位、飲んでたからなぁ…。





昼になり、シュウちゃんが体調が悪いというので


バンガローでもう一泊する事に。




シュウちゃんが眠ってる間、ブルさんと2人で、涙岬や、霧多布湿原を見に行った。




昨日とはうってかわり、霧は無く、キレイな景色を見る事ができた。



夕方にバンガローに帰ると、シュウちゃんが起きた所で、大分体調が良くなったようだ。




「じゃあ、昨日の所にシャワーを浴びに行こう。」



と、外にでると、すぐ近くにテントを貼っている1人の女の子が目についた。



どうやらチャリダー(自転車で旅する人)のようだ。


話しかけると、1人で自転車の旅をしているのだそうだ。



名は「めぐみちゃん」



シャワーを借りれる場所が、遠いうえに、分かりにくいので、めぐみちゃんも誘って、青少年センターにシャワーを浴びに行った。



バンガローに帰る途中、めぐみちゃんに


「暇だったら遊びにおいでよ。」


と誘っておいたら、夜に遊びに来てくれたので、みんなで大貧民大会。



ほとんどずっとシュウちゃんが大富豪、めぐみちゃんが大貧民だった。


僕がやっと大富豪になれたので、そこで止めて寝る事にした。


……………………………

強い雨が降り出し、めぐみちゃんもバンガローで寝ていく事になり

ブルさんとめぐみちゃんが眠りについて、


僕はしばらくシュウちゃんと喋っていた。


いつも通りの他愛もない会話だが、この数日間を経て


その、他愛もない会話をする時間が、心地良くなっている自分に気付き始めていた…。




そして


(もし、もし付き合うようになったら、京都と袋井の遠距離恋愛になってしまう…キツイなぁ


それに、年下はあんまり、なんて言っていたっけ…。)



などと考えるようになっていた。


すでに恋愛感情ってヤツがが芽生えていたのだろう。



しかし、懸念したのはそれだけではない

「北海道マジック」というのも聞いていた。



北海道では、旅人同士が仲良くなり男女関係なく行動を共にする事が多い。


そして非日常的な楽しい毎日を一緒に過ごし

この人といるとドキドキする。

必要以上にそう感じてしまいやすいのだとか…。


その後、お互い地元に戻り普通の生活をしだすと
、気持ちが薄れ


結局大半のカップルが別れてしまうそうだ。






僕の今の気持ちも、北海道マジックにかかっているだけかもしれない…。


そんな事も頭によぎった。


それでもこんな気持ちのままでは…。


……………………………



他愛もない会話も次第に
少なくなってきた頃



自分の左腕をシュウちゃんの頭のすぐ上に置き


うでまくらをさそった。



すると、シュウちゃんがひじの辺りに頭をのせてきた。



そのまま他愛もない会話は続き

お互い眠たくなってきた頃、シュウちゃんが頭をどけて、眠りについた。


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1998年8月29日
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