1998年7月26日


茨城県の下宿所「清水荘」


9時に目を覚ますと、妙に幸せな気分だった。

お風呂に浸かって、温かい布団で眠ったからなのだろうか?

はたまた、温かい人たちに会えた喜びからなのだろうか?




すがすがしい気持ちで、食堂に挨拶に行くと、

下宿所のおじさんとおばさんが、お茶とお菓子を

持ってきてくれて、

「がんばれ!がんばれ!」

と、僕を応援してくれた。


お礼を言って部屋に戻ると、少し涙がでてきた…

「人が温かい…」





そして、出発の準備をしていると、

「鈴木さん、食堂までお越し下さい。」

とゆう、僕を呼ぶ放送がはいった。


(なんだろう?)



食堂に着くとおばさんが、

「これ持っていき!絶対完走しなね!」と、

僕にお弁当を手渡してくれる。


涙が止まらなかった…。



12時


何度もお礼をいいながら、茨城県の下宿所「清水荘」

を出発した。





20キロほど走った所で、強い雨が降り出したので、

近くにあった工事中の建物で、雨宿りをしていると、

中からおじさんが1人出てきた。

話をすると、コンビニの改装中、これからオーナーになるらしい。



10分ほど話をしていると、雨が弱くなってきたので出ようとしたら、

店の中から「ビタシーローヤル」(栄養ドリンク)を

2本持ってきて、僕に持たしてくれた。


(茨城の人ってみんな優しいのか?)

真剣にそう思った。






さらに、10キロほど走ると、荷物をたくさん積んだ

ボロボロの原付が、僕を追い越し、

手を上げ、親指を立てていった。



僕は、「仲間」に会えたような喜びが込み上げ、

大きく手を振った。






本日の50キロ地点の所で、福島県に入った。

静岡からだんだん遠ざかって行くのが、少し怖い。







長い登り坂を登っている途中、なんとなく嫌な予感がして

後ろを向くと、自転車の後ろの荷台に積んであったはずの

バッグが無くなっている…。


「え!おいマジか?3日分の着替えが入ってるのに!」




慌てて、せっかくがんばって昇った坂を下っていくと、



500mほど戻った所にバッグが落ちていた。

ひもがゆるんで落ちてしまったようだ。



「危ない危ない、気をつけなくっちゃ。」






16時半


川沿いに座り、清水荘のおばちゃんが作ってくれた

お弁当を開けた。


おにぎりと、アジの干物、卵焼きにお漬け物。

食べ始めると、うれしくなってまた泣けてきた…。



「ありがとう…  ありがとう…。」

心の中で何度もお礼を言って、また

走りだす。



温かい気持ちでいると、疲れ方が違うのだろうか?

休憩するでもなく、スイスイと前に進んでいく。





しかし21時


強い雨が降りだしてきた。




近くにキャンプ中があったので、行ってみたが

雨がしのげるような場所はなく断念。




カッパを着て辺りをグルグルと走っていると

中学校を発見したので、そこの体育館横で

寝袋をひいた。





22時に横になりだしたのに、やはり寝付けない…。

結局6時間半寝付けず


明るくなってきた4時半頃

やっと眠りにつけた…。



「おばちゃんが作ってくれたお弁当、マジ美味かった。

とゆーか美味しく感じたのだろう。忘れられない思い出に

なるだろう。」




本日の走行距離98・2km


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1998年7月26日
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