1998年8月2日

朝5時半 駅のベンチ下で起床

駅で8時間も寝てしまった。


しかし、外は大粒の雨が降っている…。


駅でそのまま雨宿りをしていたが、9時まで待ってもやみそうもないのでカッパを着て走る事に。


「ちくしょう。あとちょっとなのに…。」



山に入ると、雨はさらに強さを増す。

ガソリンスタンドやスーパーなどで雨宿りをしながら、少しずつ、前へと進んだ。


50キロほど走った所でついに青森県に入り

さらに10キロほど走った所で八戸市に入った。

「やった!やった!」

大雨の中、僕は歓喜の雄叫びをあげた。


しかしフェリー乗り場の看板もなにも無く、幾人もの人に道を尋ねながら


17時半


ついに…、ついにフェリー乗り場に辿り着いた。

大きな船が停泊している。

僕が目指して来た船は、希望に満ちた顔に見えた。



自転車を停め、足早にチケット売り場へ行くと、22時出航というのがあったので早速チケットを購入。


大分時間があったので、ずぶ濡れの体をタオルで拭いて、食堂でカツカレーを食べた。

今までの道中にあった、色々な出来事がどんどん思い出され

うれしいような、少し寂しいような複雑な気分になった。


20時半


自転車をフェリーに載せ、自分もそのまま乗船。


僕が選んだ1番安い部屋は50人位がぎっしりに詰め込まれ、横になるのも精一杯の所だった。


回りを見ると皆、家族や友達同士で酒を飲んだり、ゲームをしたりし始めている。

少し寂しくなったので、甲板に出てみる。

しかし、そこではカップルがいちゃついていたのでさらに寂しくなり、すぐに部屋に戻った。


部屋に着き、寝場所を確保しようと奮闘していると、若い船員さんが僕の側に来て


「お客様、お一人ですか?」

と、無表情で尋ねてくる。

「は、はい。」

そう答えると


「こちらへどうぞ。」

と、吐き捨てるように言いツカツカと行ってしまう。

「え?え?」

意味が全く分からなかったが、とりあえず荷物を持って急いで船員さんを追いかけた。


なんとか追い付き、ついていくと、2段ベッドが幾つも並んだ部屋に辿り着いた。


若い船員さんは、やはり無表情に

「ベッドが一つ空いていたので、お使い下さい。」

と言って去って行った。


「ラッキー!これでゆっくり眠れそうだ。」


そうこうしてる内に出航。ついに、本土を離れた。


ベッドに横になると、軽い高揚感に包まれ、心臓が高鳴り出した。

(さあ、いよいよ北海道だ。着いたらまず…どうすりゃいいんだろう?)


まるで無計画に、北海道まで行く事だけを目標にして来た僕は、大きな喜びと共に、未知数の未来に、大きな不安も感じ始めていた。


23時 就寝


出発時 所持金 10万円
親からの仕送り 3万円

ここまでの支出 6万円

現在の所持金 7万円


金銭的にもかなり不安になってきた…。


本日の走行距離78・4km


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1998年8月2日
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